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2005年
2005.1.20
長男康吉の7歳の誕生日の朝、紫色に輝く東の空でした。すばらしい朝でした。
2005.2.13
大迫力!
朝犬の散歩の途中、なんとニホンカモシカに遭遇!こんなにまじかに会えるのは、初めてです。前に一度追いかけられたことがあるので、最初ちょっと怖かったけど少しずつ近寄っていけました。
2005.3.2
何日か前から、キツツキ(アオゲラ、アカゲラ)がドラミングを始めました。ドルルルルルルルルルッという軽やかな音を森に響き渡らせて自分のテリトリーを誇示しているのです。春なのですね。それにしてもキツツキの頭と首はどんな構造をしているのでしょう。
2005.3.13
毎晩のように子供に絵本を読んでいますが、今日はまたすばらしい本に出会いました。デカレンジャーや仮面ライダーの超百科を読んでくれと言われて、眠い晩もよくあるのですが、よい本に出会うときもあるんです。絵本、あなどれないですよね。子供はすっかり寝てしまっているのに、大きな声で最後まで読んでいました。
「木を植えた男」
ジャン・ジオノ 原作 フレデリック・バック 絵 あすなろ書房
よく、いい本だいい本だと聞いてはいたのですが、手にとってじっくり読んだことはありませんでした。今読むからまた良かったのかも知れません。出会う時だったのだと思いました。
2005.3.14
ダイニング・ハイバックチェアの試作品、仮組みし問題点を検討。あたためていた作品なので、型を起こすところから、とても楽しい作業です。仮に板を敷いて座ってみていろいろ改良点を出しました。設計段階でかなり考え、型を起こし作り出すのですが、改良点がどんどんでて来ました。
1.後脚の反りがあと、プラス4センチ足りない。(前脚に飼い物をして全体を後ろへ倒して調べる)
2.スピンドルの下の受け材のアールを取り過ぎ。(腰が窮屈)
3.スピンドルの下のピッチが狭すぎた。(ハイバックなので上が重く見えてしまう)
4.もう少し軽快な感じを出すには、ハイバックではなく、肩甲骨の下に、笠木が来る位置に下げ、腰をホールドするスピンドルの形にする。(もうひとつのデザインがでてきた)

私の椅子の作り方は、こんな風に、試作を重ね完成品に近づけていきます。どのように完成するかとても楽しみです。乞うご期待!
2005.3.16
雪がすごい勢いで融け始めました。春風はすごい。

右写真

改良点を全て変更して、仮組みしました。仮に板を敷いて座ってみました。
この瞬間がたまらなく好きです。
想像通りの座り心地で満足満足。早くい草で編んだ座に座ってみたい。
ばらした所、2脚分の部材です。
これから、銑、南京ガンナ、反り台カンナ、切り出しナイフによって仕上げ削りし、本組みします。
2005.3.22
もう1脚新しい形を試作して、仕上げ削り終わり、本組み完了。
仮に座った感じは、上々です。
通しほぞにクサビを打ち込んで、頑丈に組みあがりました。
2005.3.25
一気に、真冬へ逆戻り。昨日から雪が降り続いて、30センチほど積もりました。さぶーっ!
一度暖かい思いをしてしまうと、身体が慣れてしまい、同じ温度でも寒く感じます。
毎日終日マイナス5〜10度の真冬では、たまに外気温が、0度くらいになると、外でもTシャツ1枚でいられると思うくらい暖かく感じていたのに。
2005.3.29
塗装が乾き、七島い編みが終わり、完成しました。
柿渋+オイルフィニッシュクリアー仕上げ。
まだ発色していませんが、1年も使っているうちに柿渋が発色してくると、赤褐色のあめ色に変わってきて、感じ良く色づいてきます。座り心地は、とても良いです。

下の写真真ん中のハイバックチェアは腰から、背中にかけての当たりが、優しく、包み込んでくれる感じで、ダイニングチェアですが、とてもリラックスできます。
 
ローバックのタイプ2点は、食事や、デスクワークの時に、肩甲骨から上が空いていて、体勢の自由度が増し、軽快な感じです。
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2005.4.5  我が家で、春一番に咲く花
クロッカスが咲きました。
二十四節気で、”清明”(せいめい)にあたる日。
「万物清く陽気になる時期」という意。
まさにその通りという一日でした。
昼間は気温が上がり、降り積もっている雪が緩み、夜はまだ零下まで冷え込むので、朝森の中を運動靴を履いていても、どこへでも歩いて行ける。これも、今の時期の楽しみのひとつです。そこで、一番に咲いている花は、マンサクです。淡い黄色で、なんとも地味な花を枝先にいっぱい咲かせていました。
森では、小鳥が春を告げ、さえずり始めました。まったく同じ気持ちです。長く厳しい冬を乗り越えて、迎えた春をからだを踊らせて喜びたい気分です。ほんとにやればへんなおじさん。
雪解けとともに、雪の下で用意していた、針のような葉を濡れた落ち葉を突きぬいてすっと出し、二日目にはもうつぼみを持ち上げて、三日目にはこのようにかわいいかわいい花を咲かせます。本当に感動的です。曇った日や夕方から朝までは、また花びらをきゅっと閉じて雄しべ雌しべを守っています。
見ていると、和蜂(にほんみつばち)や小さな虫が蜜や花粉を集めにやってきます。受粉成功!
自然は完全だ。本当に不思議で、すばらしい。
いただきます”
もうひとつ春になって、待ち遠しかったとても楽しいことがこれです。
まずはふきのとう。早速いただいて、ふき味噌を作りました。
雪深いこの土地に出てきてくれる、ふきのとうはあく抜きの必要がありません。
ちょ--------うま!
2005.4.19
ホーホケキョとウグイスが鳴き始めました。今年のウグイスは始めから上手に鳴いています。キクザキイチリンソウも咲き始めました。
4月23.24日からのアースガーデンに持っていくものの用意で大忙し。座編み体験教室用の椅子の枠もいろいろ種類ができました。楽しみ楽しみ!お楽しみ
2005.4.23.24
アースガーデン2005に行ってまいりました。
2日間とも快晴に恵まれ気持ちいい時を過ごしました。
ものすごい人出で、いつも人っ子一人いない山の中で椅子を作っている私にとっては山から連れてこられた猿のようなもので、面食らっていました。
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将来有望!
姪っ子が一番夢中で座編み体験してくれました。
2005.4.27
“桜満開”
仕事を早めに切り上げて、おむすびを持って大町市内の桜の見所を見物に行きました。まさに満開!でもお弁当を広げて食べている人はなし。見物している人もなし。静かに見事に咲いていました。一年に一度の晴れ舞台を見逃すことのないように毎年一度はこんな風に“大町市内桜見所見物ツアー”に出かけています。
2005.5.12
“風薫る五月”
オオヤマザクラのピンク、 サクランボ、コナシ、スモモの白い花、何種類も見られるスミレの紫、キジムシロの黄色、ヤナギやシラカバの新緑、ハリギリのグロテスクとも言える芽吹き、そして森を歩いているとどこからともなくあまーい香りが、春を強く印象付けてくれます。ウワミズザクラの花です。なんともいえない香り、まだこの香りの出所が分からなかった時、やっとこの花だと判明して、手で届くところの花を引き寄せて鼻の前へ近づけ、どんなにいいにおいだろうと期待したが、意外とそれほどではなかった。散歩の途中になんとなく漂ってくる香りが、なんとも良いのです。

オオルリが、すばらしいさえずりを聞かせてくれています。枝にとまっていて、2,3メートル離れた幹に一瞬近づき、またもとの枝に戻りました。毛虫を捕まえたのです。早速ごちそうにありついていました。目もいいのですね。
これからは小鳥たちの子育てが忙しくなる季節。それに合わせてえさになるむしもたくさんです。今は毛虫も小さいけれど、雛の成長に合わせて毛虫もどんどん大きくなるように思えてしまいます。
夏ごろにはクスサンの幼虫などは、大人の親指くらいの太さで、10センチほどにもなります。フンの大きさも大豆くらいの黒いやつがコロコロ。食べる葉っぱの量も相当なもので、よく街のほうにあるクリの木がクスサンの幼虫によって、丸坊主にされてしまっているのを毎年見かけます。天敵となる小鳥が食べないためです。でも、本当に丸坊主なので結局はクスサンも、食糧不足で全滅してしまうのかなぁ。と心配してしまいます。
鳥も近づけない、クリの木も苦しい、クスサンも全滅。いいことないなあ。
山ではほどよく淘汰され、強いもの(運のいいもの?)が残り子孫を残すことができる。自然のバランスはすごいと、またまたつくづく思います。

今年のゴールデンウィークから看板を揚げました。店、ギャラリーのようにはなっていなくて、工房内や部屋に置いてある家具を見ていただいています。
2005.5.30
2005まつもとクラフトフェアに行ってまいりました。”
二日間(5.28〜5.29)ともよい天気にめぐまれ、最高の時を過ごさせていただきました。
七島い編みの実演を例によってやらせていただいたのですが、とても熱心に見入ってくれる方、ぜひ自分も取り入れてみたいという大工さん、木工家の方、関心度が実演の回を重ねるたびに増えてくることを実感します。
ぜひ多くの人たちに七島いの良さを知ってもらい、編んだ椅子が普及して、メンテナンスが日本中どこでもできて、七島いやガマなどの栽培もまた盛んになり、後継者が出てきて、材料全てが普通に日本で自給できる日が来るといいなと思います。
私の作品としては、
あぐら正座椅子を気に入ってくれる方が多く、改良を重ね、工夫したことが認めてもらえたことがとてもうれしかったです。座卓を使っているけれども、ひざが痛くなってしまうという方、また特にお酒の好きなかたがたにはたまらないという座り心地です。これに座って、酒膳を前に置き一杯。いいですよ。
あぐら正座椅子
まつもとクラフトフェアには4回目の出展ですが、年々見覚えのある方々が増えていって、
「去年もここで頑張って椅子編んでいたよねえ」
「この子供椅子が気になっていて、1年間いろいろ見てきたけど、やっぱりこの椅子に決めた」
「お尻に根が生えてもう立てない」
「楽しそうだね」
「生き生きしてるね」
「ぜひこの技術を残していってね」
等などうれしいお言葉をたくさんかけていただいて、本当に心からうれしくなり、感謝の気持ちで一杯になります。
ありがとうございます。
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2005.6.10〜6.15 ものつくり展(長野東急百貨店にて)
超豪華な振り子時計
高山家具製作所の作品です。
「んー」とうなることしかできない作品で、自分の未熟さを思い知らされます。がんばろう!
左の“引き出し24”はとてもユニークな作品です。信州木工会の会員がそれぞれの引き出しを思い思いに懲りに凝って作ったものを一つのたんすにまとめあげた作品です。一見の価値あり。初日にお買い上げいただきました。ありがとうございました。

例によって、デパートでも座編みの実演しました。興味を持って見ていただいたり、いろいろ聞いてきてくれてとても楽しい時間でした。デパートでの売り子は慣れないことで、とても自分には一日中立ったままでのお客様への相手はつとまらないので、話すきっかけとしても、とても良いものだとまた感じました。

ものつくり展(長野東急百貨店にて2005.6.10〜6.15)

無事終了しました。応援して下さった皆様方ありがとうございました。

2005.6.25
都忘れが今年も見事に咲きました。ついこの前までは、すぐ横ですずらんの花が真っ白な花を咲かせて、とてもいい香りでした。ちょうどクリの木の下で半日陰なのがどちらの花にもいいようで、都忘れの紫も、すずらんの白も本当に輝くようにきれいです。山に咲く花の色がこんなに美しいのはなぜなのでしょう?毎年そんなことを考えながら、ここに住んでよかったとあらためて思います。都忘れを見ながら、都には少しも未練のない今の私です。(A)
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今のお気に入りの絵本です。「ともだちや」シリーズ、作・内田麟太郎、絵・降矢なな
友達っていいなぁと、素直に思えて、自然に優しい気持ちにしてくれる絵本です。内田さんと降矢さんの見事なコンビネーションです。内田麟太郎さんの絵本は、子供が好きで、前にも図書館で「かあちゃんかいじゅう」という絵本も借りて、読んだ事があるのですが、それも楽しくてこころのあたたまる、とてもいい話でした。内田さんという人は、きっと明るく、あっけらかんとしていて、ただただ楽しい人なんだろうなぁと、勝手に思い込んでいたのですが、決して幸せだけとは言えない生い立ち、つらい体験を超えて、やっと母親についてのことを書くことができるようになったということを知って、人生は深いものだなぁと、感じました。
写真手前の、履物は部屋で愛用している、布わらじです。ひとつはお客さんが、もうひとつは、ともだちが作ってくれたものです。はなおを指ではさんでいる感覚って、すごく気持ちいいですよ。
今日の花束”
夏至も過ぎて、例年だったら梅雨真っただ中で、うっとうしい日々が続いている季節のはずですが、今年は「からつゆ」で、お百姓さんも大変だと思います。こればっかりはお天道様の気分次第ですから、どうしようもないものですが・・・
広葉樹の山の緑は、益々濃くなってきています。そんな森に守られて、足元には、水不足などどこ吹く風といった感じで、ひっそりと、またあるものは、群生して見事に花を咲かせています。森に面した道端で、そんな花たちを分けてもらい、花束にしてみました。
ムシトリナデシコ、アカツメクサ、シロツメクサ、コンフリー、ナワシロイチゴ、キツネノボタン、ミヤコワスレ、ノイバラ、ウツボグサ、ヒメジョオン、タンポポ、カラマツソウ
ただただ、束にしただけなのですがそれなりに、かわいらしい花束になりました。ノイバラの香りがとても好きです。
2005.6.29
蛍狩り”
今年の蛍はすごかった。木崎湖の湖畔へ夜8時頃着いて、数組の蛍狩りの家族に会ったが、それからはうちの家族4人の、プライベート蛍狩りスポットでした。水面から立ち上がっている石垣の側面に無数の蛍の光が、そして見上げると道に覆いかぶさっている木の枝枝にパッパッと光っていました。10年ぶりぐらいにこんなにたくさんの蛍を見ることができました。蛍の光はいつ見ても幻想的です。あのはかなさが、いいのかなぁ。

“「カッコウ カッコウ」”
今年は、住み始めて15年目にして自分の家にいて、初めてカッコウの鳴き声を聞きました。少し下っていった街に近いところに、畑を借りて野菜を作っていたことがあったのですが、その時には、よくカッコウの鳴き声を聞いていて、覚えがあったのですが、カッコウという鳥は里の鳥というイメージを持っていました。久しぶりに「かっこう かっこう」と聞いて懐かしい思いと、いよいよここでもカッコウが鳴くようになったということは温暖化が進んで、ここの気温も高くなってきてしまったのかなと、ちょっと危機感も感じてしまいました。

“あぁやられた”
今年は雨が少なく、腐ってしまう前にたーくさん実って、大きくなって赤らんできたサクランボ。昨日の土砂降りの大雨の中サルの軍団がやってきてほとんど食べられてしまいました。今年こそは、さくらんぼ食べ放題だーっと喜んでいた矢先、これだけなっていればサルも鳥も気づくよねぇ。サルや鳥のテリトリーの中に住まわせてもらっている私たち。自業自得ですよねぇ。でもくやしーっ!

2005.8.14
走ってくるならいいよ”
高校、大学の同じ親友が今日うちにたどり着きました。千葉県の家からちょうど300km。
「お盆の頃あそびにいっていい?」というメールがあり、妻が冗談で、「走ってくるならいいよ。」と返信。本当だった。
フルマラソンは何度も経験があり、サブスリーも既に達成している彼で、走ることが今最大の快感のようだが、まさかのウルトラマラソン×3に挑戦したのです。無謀としか言いようがありません。途中経過は随時、携帯メールで知らせてくれてはいたのだが。
今日のお昼ごろ「今塩尻なんだけど、ここでリタイアするよ。大町駅まで迎えに来てくれる?」と元気のない声で、電話してきました。
なんだか涙が出そうでした。よくがんばった。駅では、びっこをひいてやっと歩いてきました。左足がポンポコリンに腫れ上がっていました。
本人談「30代最後の馬鹿をやったよ。もう二度とやらない。もう勘弁してくれ。」何が彼をそこまでさせたのか。
11日の夜11時から出発して、今日14日昼まで、睡眠時間合計約4時間(道の駅のベンチ)、走った距離246km。途中、大垂水峠、笹子トンネル(恐怖の歩道幅30センチで、3km)、富士見峠、塩尻峠など難関を走り通して来た。
お嫁さん募集中!
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2005.9.17
“夏から秋へ”
8月の終り頃のある朝、朝日を浴びながら朝食をとっていたときのこと、東の空に無数の光るものが舞っていました。近くを見てすぐにそれが、赤とんぼだと言うことがわかりました。朝日が逆光になってトンボの羽がきらきらと銀色に光りそれはそれは美しい光景でした。その回りをこれまた無数のツバメが飛んでいて、お食事中でした。もう、南への渡りを数日後に控えて、栄養豊富な食物を多めにとっているのだろうと思いました。それから数日後、気がついたら、もうこの辺りのツバメの姿は見えなくなっていました。トンボなどをそのまま食べれば、つらく厳しい長旅にも耐えられる体力を蓄えられるのだろうなあ。聞いた話だけど、地元の小学生の間では、トンボを捕まえて、胸の部分を、チュッと吸うと、マグロの缶詰(シーチキン)の味がしておいしいのだと聞いたことがあります。(僕もさすがにしたことはないけれど、まねはしないでねーっ)
渡り鳥のことはほとんど知らないので、想像ですが、いざ飛び始めてしまえば、きっと親も子もないのだろうなあ、それとも近くで飛んで、励ましあいながらがんばるのかなあ。今ももしかしたら太平洋を見下ろしながら、360度見わたす限り水平線の空を飛んでいるのかなあ。もう東南アジアの暖かい国にたどり着いて、のびのびと田んぼの水面ぎりぎりを気持ちよく飛んでいるのかなあ。などと想像を膨らませて楽しんでみました。
日に日に朝晩の気温が低くなってきています。もう本当に最後って言う感じで、気の毒になってしまうようなミンミンゼミの力のない鳴き声が聞こえてきます。カンタン、コオロギなど秋の虫たちは元気良く鳴いています。でもどうしても寂しげに聞こえてきます。きのこ、クリ、リンゴ、サルナシ、ドングリ、すすき、はぎ、エノコログサ、野菊、運動会、稲刈り、名月、台風、冷たい雨など、いかにも“秋”を連想させる言葉たちが、目から耳から入ってくるようになりました。秋ですねえ。
2005.10.22〜23
 “アースガーデンにてアーミッシュの椅子編み換え”
会場にて出会ったお客様がこの椅子を三軒茶屋のご自宅から抱えて持ってきてくれました。聞くと、アーミッシュの椅子ということでした。素朴でとても好きなデザインの椅子です。手道具の跡が残る、温かみの感じられる椅子でした。
おそらく蒲(がま)という素材で、長年の使用により風化して、座面の真ん中が落ち、穴があいてしまっていて、もう座ることは出来ない状態でしたが、これは、七島いで編みかえれば、生まれ変わる。と思いました。
古い座面を切り取り、何十年ぶりか、又は百年以上経っているのか判りませんが、木枠が現れました。この椅子を作った職人、座を編んだ職人の気持ちとその頃の周りの景色などを想像しながらの作業はとても気持ち良く、とても楽しいものでした。自分の作った椅子が、100年後にまた編み換えてもらって生まれ変わらせてもらえたら、なんて考えていたら、わくわくして、どきどきしてしまいました。そこまで使ってもらえるように、頑丈にガタがこないように、心をこめて作ることだなぁと、あらためて気を引き締める思いです。
座面がだめになってしまったいすを、こうして編みかえれば、また生き返る。ということを実演で多くの人に見てもらえるチャンスを作っていただいた増田様に本当に感謝しております。人をよけながら抱えて持ってきていただいて、本当にありがとうございました。

アーミッシュとは
現在、アメリカとカナダで14万5千人程住んでいる、プロテスタントの一派で、文明の利器を否定し、16世紀の生活をかたくなに守り続けている人たちです。自分たちにとって不必要な便利さを否定し、必要最低限で自然をなるべくそのままの形で生活の中に取り入れて生きていく精神は、私も目指すところで、見習わなければならないことがたくさんあります。

2005.12.8
“わすれられないおくりもの” きんたは、鳥になったんだ
例年より早い大雪で寒い日が続いています。
今朝も、ごんたの散歩に行ってきました。お尻をプリプリ振って雪の道を楽しそうに歩いている後姿を見ていて、もう大丈夫だなぁ。と思いました。
忘れてしまう前に、きんたの残していってくれた思い出を書き留めておこうと思いました。

今年の夏、7月10日午前零時、大好きだった、愛犬きんたが死んでしまいました。2週間前に、調子がおかしくて動物病院に連れて行ったときは、もう遅く、後は好きなものを好きな時にあげて、気持ちよく最期を迎えさせてあげて下さい。との診断でした。最期は、ウォウー、と一声あげて僕の腕の中で息をひきとりました。

次の日は、一日中泣きはらした目で、仕事も手につかず、落ち着いてやらねばと思いながらも、失敗ばかり。その日の夕方、雨の中合羽を着て、気持ちよく眠っているようなきんたの亡骸を埋めるため、深く深く穴を掘りました。
ヒメジョオンが花盛りで、穴の底にふわふわに敷き詰めました。
家族みんなでさよならを言って、またヒメジョオンを、ふかふかにかぶせてあげました。
頭はボーっとしたまま、涙は止まらず、鼻水もよだれもふき取りもせず一緒に穴に入っていきました。
土をかぶせ、けものに掘り起こされないように、小山を作ってポンポンと手で突き固めていた時でした。
息子が、「いまとりがとんでいったよ」と、小山の中腹を指さして言いました。。「そう、そこから飛んでいった?鳥が?」「うん、くろいとり。」「そうか、鳥が飛んでいったのか。」「鳥になって、飛んでいったんだ。」きっと見えたんだ。きんたは、鳥になったんだ。
それを聞いた瞬間から、頭がスキッとしました。それからは、涙は不思議と一滴もでなくなりました。頭の中がカラッとして、ぬけた感じです。逆に気持ちよかった。笑顔でした。次の日の朝から、1週間、イカルが「ピーポーピーッ」と、さえずりに来ていました。朝ごはんを食べながら、「あっ、またきんたが来たよ」「おはよう」と挨拶をするのが日課になりました。

大町へ移り住んで、間もなくきんたはうちへ来た。
赤ん坊の頃から、気が強く、兄ちゃんのロッキーを困らせてばかりだった。結局は仲良しにはなれなかった。何度喧嘩して体の小さいロッキーは、死ぬ思いをしたことか。それなのに、三本足で捨て猫のニャムにはやさしかった。はじめは、食い殺されてしまうかと心配だった。
たいていの人には吠えついて、家族以外には、なつかなかった。でも、何人かには馴れていた。僕には理解できないきんたの基準、ものさしがあった。
子供の頃にかわいがってもらった、久美ちゃんには、数年ぶりに会っても、お腹を出してメロメロだった。
最高の番犬だった。今では、ロッキーはおじいさんだし、ごんたはみんなと仲良しだから、畑の野菜や、木の実はサルや、狸に全部食べられてしまう。睨みを効かせていたんだなぁ。
毎朝、散歩に行った。晴れた日、雨の日、風の日、大雪の日、鼻毛も凍るマイナス16度の日、腰痛の時、インフルエンザの時、年に何日かは変わってもらったけど、ほぼ毎日欠かさなかった。
自転車で、鼻歌交じりで散歩中、突然路肩のねずみか何かを見つけて反転!自転車のハンドルは直角。あごからダイビングして血だらけ。痛いのと、頭にきたのとで、ぶっとばしたかったけど痛くて体が動かなかった。四つんばいになったものだから、ぺろぺろ顔をなめるなめる。びっこを引き引きやっとの思いで家に帰り着いた。
ヒキガエルに咬みついて、ニガニガ?ビリビリシビレ?攻撃を食らって半日くらいよだれを吐き続けていた時もあった。
ニホンカモシカと喧嘩して、あごの下を突き上げられ穴を開けられた。
どうみても毒々しいでっかいマムシをみつけて、これとだけは戦わない方がいいよと、引き離してきた。
ヤマドリを捕まえてきたので、熊の肉ひときれと一羽と交換してもらった。きんたは不満げだったなぁ。最高に美味かった。あの時は、ごちそうさま。
電線で感電して落ちてきたムササビはうまかった?
カラスは食べなかった。
一緒にきのこ採りに行った時、猟犬の血が騒いだのか、カモシカをこっちへ追い込んできた。と思ったら、逆に追われてきて俺の後ろへ隠れるなよきんた!でっかい真っ黒のカモシカで怖かった。
そうかと思えば、何日か連続で家の周りへ来ていた熊を、くさりを外した途端、一声もあげず、無言で追い払ってくれた。
ぎっくり腰で、やっとの思いで歩けていた時、うれしくてうれしくて、鼻でつんつん、前足でかまってくれかまってくれといわれても、またきんたの前で、四つんばいになってしまった。ぺろぺろ顔をなめるなめる。「今だけはやめてくれ・・・たのむ」と、虫の鳴くような声で頼んだ。
一緒に車に乗って行くのが好きだった。東京、千葉、岡山。遠くでもぜんぜん平気だった。ただ、おならは強烈に臭かった。車酔いしそうだった。都会へ行くと借りて来た猫状態。いい子に見えた。山へ帰ってきて、うちの空気を感じると、目がキラッとして生き返った。俺と一緒。相棒、さようなら。

いい絵本があります。“わすれられないおくりもの” スーザン・バーレイ作 です。この絵本にずいぶん助けられました。おかげさまで、きんたとの楽しい思い出を思い出しながら、笑えます。
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2005.12.15
“白銀の世界”
今日は久しぶりにピーカン。
1週間ほど曇ったり雪が降ったりの、冴えない天気が続いていました。もう、雪かきも飽きたなと思っていたら、今日はすばらしい青空。
冬至前後の、ここでの日の出は、だいたい7時頃です。日の入りは、なんと2時15分くらい。山に隠れてしまいます。冬の日差しはとてもありがたく、貴重です。3.4日雪が降り続いたりすると、気持ちも沈んでくるのですが、そのぶん今度晴れた日は、それはそれは気持ちいいものです。
今朝は、朝の散歩の時ちょうど日が昇ってきて、真っ白に雪をまとった、森の木々達の間に、真横から日が差し込んできました。太陽の光は、木々達にさえぎられ、やさしい光をやっと森の奥へ届けてくれていました。その光の差し込んでいるところだけは、朝なのにまるで夕方のようなセピア色で、周りの白と黒との対照的な世界で、とても幻想的でした。
自然の中で暮らしていると、その一瞬。といったすばらしい瞬間に出会えます。カメラや、ましてや素人の撮るデジカメではその一瞬は捉えることができません。ここに住んでいて良かった。目に焼き付けておこう。身体で感じておこう。生まれてきて良かった。とまで思ってしまいます。自分は生きているのではなく生かされているのだなぁ。と、感じました。
登園の服装
2005.12.20
“朝焼け”
今朝、日の出直前、7時。
冬は特に、びっくりするような景色に出会えます。
手前の車庫の屋根に積もった雪が、無数のダイヤモンドのようにきらきら光っていたのは、写真では写せないのが残念です。
約120センチ積もった屋根の雪は、1日かけて家族で下ろしました。とても気持ちよくて、いい運動です。(今のところ)
2005.12.23
“記録的な大雪”
まったくこの雪は、記録的ですよ。ここへ来て15年だけど、こんなにこの時期にまとめて降ったのは初めてです。今日朝の雪かきは、約30センチ。夜には、もう既に40センチ積もっています。雪の始末に追われて、仕事もじっくりやっていられないです。あわてても怪我するだけだから、こんな時はどっぷりと雪山にうもれて?腰をすえてかかります。冬の仕事は半分、あとは雪かきと雪遊び。ここ2週間ぐらいは、半分以上雪と格闘していますが。
 
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