2005年へ 2007年へ
2006年
2006年“あけましておめでとうございます”
本年もよろしくお願いいたします。
日本全国いろいろなところで、豪雪と低温の被害が出ているようです。くれぐれもお体を大切に。
ここでも、近年にない大雪で雪かき仕事が、例年の3倍位しなければならない状態が続いています。年明け元日はいい天気で、屋根の雪下ろし。2日は40cmの雪で半日雪かき、3日も20cm。三が日はおせち料理を食べながら雪かきを堪能しました。気持ちに余裕を持っていれば楽しい作業です。
子供は風の子と言われますが、本当に雪や寒さにはへっちゃらで、雪仕様で身を固めてあげれば、雪の中を泳いで遊びます。
犬もまた然り。ごんたは二人の子供を乗せたそりをぐんぐん牽いていきます。とは言っても圧雪道路で、しかも下りという条件付ですが。

2006年、わくわくすること、楽しいことたくさんありますように。皆様にとってすばらしい年になりますように
このすぐあと、雪に乗り上げ、ふたりを振り落し、空になってせいせいしたそりを引っ張っていってしまった。「まってー」といくら叫んでも止まってくれず、追いかけてたふたり。 もうひくのやだー。訴えるごんた。
道の両脇は、約160cmの雪の壁。
TOPページへ戻る
2006.2.19
“春の足音”
2月3日の節分、4日の立春も過ぎて、早くも今日は二十四節気のひとつ雨水「うすい」に当たる日です。氷雪が解け、雪から雨に変わる頃。草木の芽が出始めるという。
雪の降らない土地に住んでいる人が初めてこの景色を見れば、雪国、冬真っ盛りと感じるでしょうが、ここで冬とともに過ごして来た私たちにとっては、まさにです。
今朝は冷え込んで、雪の上がカチカチに固まっていて森の中をどこへでも歩いていくことができました。
キツツキのドラミングが響き渡り、小鳥が早くもさえずり始め、木の幹の周りの雪が解け、深い洞のようになってきました。
頬に当たる風も優しくなっています。ソレルのブーツも、もうしまってもいい季節ですね。
“冬と雪と家について最近思ったこと”
今は情報があふれていて、テレビを見ていると、どこどこでは花盛り、初夏の陽気でした。だとか・・・いざ周りを見てみるとまだまだ雪は1メートル以上も積もっていて、朝晩はマイナス4度だ6度だの冷え込み。
土地の人の中での話で、転ぶのも南へ転びたいと、雪の降らない暖かい地方にあこがれている例えを聞くことがあります。
風通しがよく、暖房設備と言えば囲炉裏か火鉢か炭のコタツで冬を越してきた地元の方たちがそう言うのも無理もないことだと言うことが、つい最近になってやっと分かりました。
「煤けた木の色とかそういう雰囲気は、もう見たくもない。」としみじみと言いい、土地に育ったクリの木を土台に、スギやヒノキを柱に、曲がりくねったマツや、ケヤキを梁にと、匠の技を活かして昔の大工さんが建てた、すばらしい家を壊して、新素材と称する、石油製品と外材と接着剤で固められた家に立て替えてしまう。始めはその辺のことが理解できず、地元の人に対してとても否定的な見方をしていました。
よそから移り住んできた現代っ子?から見れば、ちょうなではつった跡が残って、すすけたところが黒光りしているなんていうのが、たまらない魅力だったのです。
逆に、一部の地元の人たちに言わせれば、なんで好き好んでこんなところへ移り住んでくるんだ、とよく言われます。今でも。
煤けた木=寒い厳しいつらい冬。と、身体にすり込まれているのですよね。自分も、もしもここが生まれ育った土地で同じ環境であれば、きっと同じように考えたと思います。
これをどう解消できるのかと言う時に、商業優先で考えられた方法で建てられた家を効率よく作る家作りに置き換えられてきてしまいました。
気候や土地の特色を活かしてきた先人の知恵を取り入れず、都会と同じ建て方、マニュアル通り、規格に当てはまる材料で、化石燃料などエネルギーを多く使いボタンひとつで家を暖かく保つ。といった方法で家を建て始めたのです。それは、今までと比べればいいことずくめで、建て替えない手はないと思ってしまいます。
日本人という人種が、この流れを作り上げてきて今があるのだなと思います。そこへ自分も含まれているのです。
先人たちの知恵の詰まった伝統的な匠の技を活かせる家を建てられる人材、素材が消えていってしまっている事は間違いないところで、それらを活かせる場も保障もない時代でもあります。貴重な技を残しつつ発展もしていく方向でどうにか考えられないものでしょうか。自分の勝手な意見で、誰が悪いとも、誰に責任があるとも言えません。自分の無力さも感じています。
とにかく、自分たちが今ここで暮らしていけることに感謝して、できるだけ自然に沿った生き方をしていきたいと思っています。
そこで何が自分にもできるかと考えた時、地元の木を使い、仕上げにも自然素材を使い、永年使えば使うほど艶を増していく家具をなるべく手仕事で作り、買ってもらって使ってもらうという仕事を通して、身近な自然に触れる楽しさ、無垢の木の良さ、ぬくもりを気づくきっかけになればと思います。小さな力だけど、オンリーワンでがんばります。
TOPページへ戻る このページのTOPへ戻る
2006.4.13
“暮らしの家具三人三様展”
豊科サティホールにて家具作家仲間の三人で展示会をしました。
見に来ていただいた皆様ありがとうございました。
落ち着いた雰囲気で、3人の家具を展示すのに程よい大きさでした。
まさに三人三様。皆、それぞれ個性があり、人によって作るものがこうも違うものかとあらためて感じました。作る人も違えば、選ぶ人もまたいろいろで、自分と感性の合う人が目に止めてくれるのだろうと思います。
私の家具は、万人受けするものではないのですが、少数派で、でも肌に合って気に入ってもらうと本当にたまらないと言う感じで選んでもらえます。すごーくうれしい瞬間です。
今回初めて、リラックスアームチェアの座に革張りの作品を作りました。七島いとはまた違った座り心地です。これもまたいい! 自然木丸太の自然の曲がりを使って
ちょっとお洒落な飾り棚を作ってみました。
サイドテーブルとしてもちょうど良い高さと大きさです。
2006.5.27.28
“クラフトフェアまつもと2006 に出展しました。”
1週間前ぐらいから天気予報を気にするようになり、どうしてもどこのテレビ局でもやっぱり今週末は崩れますとの予報。まあ、弱い雨ならそれもまた良しかと覚悟を決めて、雨靴、雨合羽、シートなど雨対策をしっかり用意してのぞみました。
そして当日、こんな時の天気予報が外れるのはおおいに結構。一日目はまったく降らずに済んでたまに日が出ると暑いくらいでした。二日目も朝サーっと降りこみ、それからはなんと青空で、暑い暑い。みんなで、クラフトフェアの熱は空も味方につけたかと言っていました。ただ、午後からの風にはちょっと参りました。タープ式のテントは風に弱いですね。
選考に通ってほっとして、ここのところ毎年出させていただいていますが、年々応援してくださる方々が増えてきて本当にうれしい限りです。本当に心から感謝しています。
今年の新しい試みは、こっぱこうさく(木っ端工作)です。家具を作る時に出てくる木の切れ端で、子供たちに工作をしてもらおうというワークショップです。いざ始めてみたら、お父さんもお母さんも夢中になってわんさの人だかりで大盛況でした。木に触れるチャンス、自然を感じるきっかけになってくれたら幸いと思い、やってみた甲斐がありました。「すばらしい体験をさせていただきました。」など、こちらが恐縮してしまうようなうれしい言葉をいただき、うれしい限りでした。ありがとうございました。
毎年10月に同じ会場のあがたの森公園で開催されるクラフトピクニックでもぜひやろうと思っております。また来てくださいね。
今回は、岐阜の高山から、会場での座編み体験に来てくれました。昨年からのご希望で、6ヶ月の娘さんのためにベビーチェアを頑張って編んでくれました。
私なんかよりも見た目よっぽど職人さんらしく、編み方も飲み込みが早く上手で、見学していってくれたお客さんにも、職人がふたりに増えてる。と思われた方もいらっしゃったようです。
この笑顔。こちらも思わずにっこりです。この瞬間がたまらなくうれしくて、あーよかった。と、心から思います。
幸せを分けていただいてありがとうございました。
TOPページへ戻る
このページのTOPへ戻る
雨、カンカン照り、風の中、2日間よく待ってくれました。
よくがんばったね。
2006.8.31
“cafe forest  カフェフォレスト(森の中でお昼ご飯)”
10月10日オープン目指して改装工事と準備頑張っています。
手加工場を改装してカフェにします。真っ先に手加工場は作って引越ししたので家具の仕事の方はご心配なく。しかし、ご注文をいただいていて、完成を待っていただいているお客様には、甘えさせていただいております。お許し下さい。

この時とばかりに、今まで温めておいた面白い素材を文字通り引っ張り出してきて、ヨーロッパの田舎の家をイメージしながら、楽しみながら作っています。こちらの方もひとつの作品として見に来ていただけたらうれしいです。

妻の永年の夢だったのでこれが実現するのは人生にとっても、とても大きな出来事です。
「食べ盛りの若い子達にお腹いっぱい食べさせてあげる学生街などにある食堂のおばちゃん」をしてみたかったというのがもともとの夢だったのですが、山の中ではそういう訳にはいかないので、ちょっとこじゃれてcafeという形にしました。
小さいお店ですが、隅々まで心配りの行き届いた、人との出会い、心のふれあいを大切にできる、ゆっくりできるお店にしていきたいと思っています。
日替わりのお昼ご飯のランチメニュー、天然酵母パン、スパゲッティを中心に、それぞれ旬の野菜を活かしたこだわりの食事を味わっていただこうと思っております。
詳しくは、またホームページにてお知らせいたします。
心からお待ちしています。
2006.10.1
“フランスから来た椅子の座編み”

次の文章は、HPを見てこの椅子の座編みの張替えのご依頼をいただいた時のメールの文章をご本人の了解をいただき掲載させていただきました。

あの椅子は、フランス中部のサンテ・エチエンヌで作られたものです。座面は、農家が冬の間の手間仕事として地元の藁を使って編みこんでありました。その藁の質感と黄金色に輝く色艶は、とても素晴らしいものでした。その藁が、日本では植物防疫のため禁制品扱いだとは知るよしもなく、一所懸命自分の手で梱包して日本に送りました。成田の税関で、椅子の生命である座面の藁をカッターナイフで切り落とし、自らの手で焼却処分をし、フレームだけ何とか助けてもらいました。28年前のことです。
 今その椅子が七島イで編みこまれ、プロの手で蘇るのかと思うと、うれしくてなりません。なにとぞ宜しくお願いいたします。

ご自分の手でお気に入りの椅子の座面を切って燃やさせられたということで無念だったことでしょう。
その座面の色艶はそれこそ時間の成せる業で、一朝一夕でだせるものではないですからね。

日本に入ってきてからはいぐさやガマで編むところが見つからずクッションと布の椅子張り職人の手で張り替えられ、28年間使われていたということです。その布も永年の使用でぼろぼろになっていてクッションも落ち込んでいました。
そんな時に七島いによる座編みの張替えという私のホームページを見ていただいて、持って来ていただいたという次第です。
HP作っていて良かった。すごいものだなぁ文明の利器も。こんな出会いがあるとデジタルもいい形で使えばいいものだなぁと、自分の都合のいいように勝手に解釈しています。
とても楽しいうれしい仕事でした。しっかりしたすばらしい椅子に蘇りました。ご依頼主にもとてもとても喜んでいただけました。本当にありがとうございました。後は長年どんどん使っていただいてお尻で磨いていただくのが黄金色に輝く座面の作り方です。20年30年先にもう一度出会えたら感動するだろうなぁ。70歳過ぎて現役バリバリでこの椅子を編み返られたらなぁ。前世はフランス人で農家の冬の仕事で椅子の編みこみしてたりして・・・

張り替え前の状態(左)
1脚は、クッションが落ち込んで、深くはまってしまって座れませんでした。
張り替え後(下)
ちょっとおしゃれなんだけれど、素朴な味のデザインのこの椅子には、七島い編みの座面がぴったりでした。
2006.10.1
“before after”
木工の手作業場をカフェに大改装しました。
1.機械と道具と散乱した材料がごちゃごちゃの作業場 2.左官の下地が出来たところ。
3.内装完成
設備の給排水給湯工事だけはお願いしましたが、他は全て自らの手で作りました。これもひとつの作品としてみていただけたらうれしいです。
年に一度くらいは工房展を開いてみたいと思っています。ご興味をお持ちの方はぜひお越し下さい。お楽しみに。
1.ただただ作業場 2.古材の梁をつけた、垂れ壁の下地。
カウンターだけ出来たところ。
3.完成後

TOPページへ戻る このページのTOPへ戻る
2006.10.9
“北アルプス初冠雪、カフェオープン前日”
昨日の、まるで木枯らしのような冷たい雨風は、アルプスに雪を降らせていました。
16年前、当地で手作りの結婚式の披露パーティーを挙げたのを思い出しました。10月10日はその結婚記念日で、その日の前日は、台風が来ていて大荒れの日でした。
まだ柱が立って壁ができていない素建ての家に農協から借りて来た紅白幕をはり、パーティーテーブルを作り、雨が降った時のためにシートを張り、泥だらけで鼻水をたらしながら、晴れの特異日と言われている事を信じながら、野外パーティーの準備をしていました。大町の気候を知っていれば、10月に野外で結婚披露宴をするなど、今考えれば無謀でした。知らなかったからこそできました。
ほとんど眠らず結婚式当日。朝、台風は去り、真っ青の空の下、アルプスは雪化粧していました。街へ降りて、貸し衣装屋さんで生まれて初めてタキシードというものを着せられ、美容院で、髪の毛をスプレーでカチカチに固められ、それを見た、花嫁さんの第一声は、「売れない演歌歌手みたい・・・・・。」「・・・・・。」という言葉(見事に言い当てられていた)にもめげず、ご来賓、親族、友達あわせて80人以上の方々に祝っていただきました。今でも、「あの結婚式は良かったよ」と言ってもらえる、思い出に残る日になりました。体育の日=結婚記念日=晴れの特異日=焼肉じゅうじゅう(野外パーティー)という事で、10月10日は私たちにとっては特別な日になったのです。体育の日がハッピーマンデイになってしまったのは、ちょっとショックでした。飛び石連休っていうのも、けっこううれしいものだったのだけれど・・・。
明日の、カフェオープンの準備、前日の大荒れの天気、今朝のアルプスの雪化粧、緊張した空気。「まさにあの日だ。」と、思い出しました。
カフェフォレスト 10月9日朝。カフェフォレストの入り口です。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
2006.10.21〜22
“クラフトピクニック2006 いい天気でした”
松本あがたの森公園にて開催された、クラフトピクニック2006に参加させて頂きました。
両日ともお天気に恵まれ、芝生の上でのんびり秋のピクニックを満喫できました。
私のブースでは、ペーパーコードによるスツールの座編みと、こっぱこうさくのワークショップを開きました。
昨年のピクニックでも座編みは行ったのですが、また今年もやりたいと、来てくださった方や21日にひとつ編んで、22日に高校生のお子さんを連れて、またプラス2脚仕上げていってくださった方もいてびっくりするやらうれしいやらでした。
2脚編み上げたお母さんはもう手馴れたもので、他の座編みの方に私の目が行き届かなかった時に、的確にアドバイスしていただいていて助かりました。ありがとうございました。
木っ端工作=こっぱこうさくも、皆さん感覚をフル回転させて楽しんでいただけました。子どもたちの隠れた才能、感性にはいつもながら、驚かされてしまいます。「参りました!」
東京からご一家でクラフトピクニックを目的に来てくださいました。2度目の座編みご参加ありがとうございました。今回はリョウブという木の枝を使った枠も用意してみました。とても器用に、きれいに仕上げていかれました。
今度は、工房まで足を伸ばしていただいて、七島い編みのいすに挑戦してみませんか?
座編み体験教室
芝生広場に立てられたティピーがまた、のんびりした雰囲気を作ってくれていました。
TOPページへ戻る
このページのTOPへ戻る
2006.11.7
“紅葉真っ盛りと同時に初雪”
立冬にふさわしく、とても寒い日でした。木枯らしが吹き荒れ、時おり怖いくらいの突風も吹き、あられも舞ってきました。いよいよ冬という感じです。
家の前の山もみじの木は、周りの山より一足遅れて紅葉が始まります。すぐ横に栗の大木があり(栗の木は森の木の中でも、葉を落とすまでが遅い)その葉に頭の上を寒さから守ってもらい、紅葉の始まるのを遅らせているのではないかと思います。
2006.12.31
“とうとうぼくひとり”
今年の夏、愛犬ロッキーが首輪抜けしてしまいそのまま帰ってこなくなってしまいました。
散歩といっても、50メートルほど、とことこと歩いては行くけれど、そこでピタッと動けなくなってしまい、抱いて帰ってくるというパターンが2ヶ月ほど続いていました。
耳も目もほとんど利かなくなっていて、口に出して言いたくないのだけれど「もうそろそろだめかなぁ。」と思ってしまう状態でした。
7月20日朝、首輪だけ残して行ってしまいました。
遠くへは行けないだろうと森の中、路の脇、縁の下、探し回ったけど、みつかりませんでした。
ロッキーを知っている人にこの話をすると、決まって「ロッキーらしいね。静かに山に入っていったんだね。」と言われました。
みずくさいじゃんかロッキー!
16年前にここへ移り住んできたのと同時に、生まれ、もらって飼い始めました。大町での時間はいつもロッキーと一緒に刻んできました。
また、生まれ変わってぼくらの前にひょっこり現れてくれよ。
去年のきんたに続いて、今年のロッキーと、頼もしい兄ちゃん達を失って心細くなってしまったなぁ。
体は大きいけど、ちょっと気の小さい僕ごんたです。
でも、どんなものに対しても常にフレンドリーで、人や他の犬や動物を疑ったり嫌がらせをしたり傷つけたりという、ネガティブな心をまったく持っていないごんたは私のお手本です。
2007年も気持ちよくいきましょう。
2005年へ 2007年へ